【Tplus株式会社が教える】顧客の声を活かしたランディングページ設計

ランディングページで商品やサービスの魅力を伝えても、運営会社が発信する説明だけでは、閲覧者の不安を完全に解消できないことがあります。そこで重要になるのが、実際に商品やサービスを利用した顧客のクチコミです。

クチコミには、企業側の説明だけでは伝えにくい利用者の感想、選んだ理由、利用前の悩み、利用後の印象などが含まれています。こうしたクチコミをランディングページへ適切に掲載することで、閲覧者は自分と近い立場の利用者を見つけやすくなり、問い合わせや予約、購入を検討するための判断材料を得られます。

ただし、クチコミを数多く掲載すれば、必ず成果が出るわけではありません。大切なのは、ランディングページを訪れた人の疑問や不安に合わせて、必要なクチコミを適切な場所に配置することです。

クチコミを単なる装飾として掲載するのではなく、信頼を形成し、閲覧者の意思決定を支えるマーケティング情報として設計する必要があります。

顧客の声がランディングページの信頼性と成約率を高める理由

顧客の声やクチコミがランディングページで重要になる理由は、企業からの説明とは異なる第三者の視点を加えられるからです。

ランディングページでは、「高品質」「丁寧な対応」「多くのお客様に選ばれている」といった表現が使われることがあります。しかし、このような表現を企業自身が伝えるだけでは、閲覧者から広告表現として受け取られる可能性があります。

一方、実際の利用者によるクチコミには、「どのような悩みを抱えていたのか」「なぜこの商品やサービスを選んだのか」「スタッフの対応はどうだったのか」など、顧客目線の情報が含まれています。具体的なクチコミを掲載することで、ランディングページの説明に現実味が加わり、閲覧者が利用後のイメージを持ちやすくなります。

BrightLocalが米国の成人消費者1,002人を対象に実施した2026年の調査では、97%が地域の事業者を選ぶ際にクチコミを読み、ポジティブなクチコミを読んだ後は、54%がその事業者のWebサイトを確認すると回答しています。この調査は米国を対象としているため、日本の消費者へそのまま当てはめることはできませんが、クチコミを確認した後にWebサイトやランディングページで追加情報を調べる行動があることを示しています。

また、ノースウェスタン大学のSpiegel Research Centerによる商品レビューの研究では、クチコミがない商品と比較して、5件のクチコミが掲載された商品の購入可能性が270%高かったと報告されています。ただし、これは特定の商品データを分析した結果であり、すべての業種やランディングページで同じ成果が出ることを保証するものではありません。

重要なのは、クチコミの件数だけではなく、閲覧者が自分との共通点を見つけられるかどうかです。

例えば、美容室のランディングページであれば、「初めてでも相談しやすかった」「髪の悩みを丁寧に聞いてもらえた」というクチコミが安心感につながります。飲食店であれば、「家族で利用しやすかった」「記念日の対応が丁寧だった」といったクチコミが、来店場面を想像する材料になります。

クチコミは企業の主張を繰り返すための情報ではありません。企業の説明を顧客の体験によって補完し、閲覧者が次の行動を選びやすくするための情報です。

クチコミを効果的に見せるランディングページの構成と掲載方法

クチコミをランディングページへ掲載する際は、一か所にまとめて並べるだけではなく、閲覧者の心理に合わせて配置することが大切です。

まず、ファーストビュー付近には、クチコミの件数や評価、代表的なクチコミの一部など、信頼を短時間で伝えられる情報を配置します。ただし、文字量が多すぎると商品やサービスの特徴が伝わりにくくなるため、短いクチコミや要点を絞った表現が適しています。

次に、商品やサービスの説明部分では、それぞれの特徴を裏付けるクチコミを掲載します。

例えば、「初めての方にも丁寧に説明します」という特徴の近くには、説明の分かりやすさに触れたクチコミを配置します。「完全個室で落ち着いて利用できます」という特徴には、店内の雰囲気やプライバシーに関するクチコミを組み合わせます。

このように、ランディングページの説明とクチコミの内容を対応させることで、企業側の主張と顧客の体験が一つの情報として伝わります。

クチコミを掲載する際は、次のような情報を整理すると内容が伝わりやすくなります。

・利用者の年代や利用目的
・利用前に抱えていた悩み
・商品やサービスを選んだ理由
・利用中に感じたこと
・スタッフや店舗への印象
・これから利用する人へのメッセージ

すべての項目を掲載する必要はありません。クチコミの内容に合わせて、閲覧者の判断に役立つ情報を選びます。

また、「お客様の声」という一つの枠にクチコミをまとめるだけでなく、「初めて利用した方のクチコミ」「接客に関するクチコミ」「仕上がりに関するクチコミ」「家族で利用した方のクチコミ」など、テーマ別に整理する方法も有効です。

テーマが明確になっていると、閲覧者は自分が知りたいクチコミを見つけやすくなります。SEOやAIOの観点でも、クチコミを利用目的や悩み別に整理し、分かりやすい見出しを付けることで、ページ内の情報構造を明確にできます。

BrightLocalの2026年調査では、クチコミを読んだ後も66%が追加の調査を行い、34%が購入や予約に進む準備ができていると回答しています。つまり、クチコミだけで判断が完了する人ばかりではなく、料金、サービス内容、アクセス、予約方法などの追加情報も必要とされています。

そのため、クチコミの直後には、関連するサービス説明や料金、よくある質問、問い合わせボタンなどを配置することが重要です。

「クチコミを読ませて終わり」ではなく、「クチコミによって安心した人が、そのまま次の情報を確認できる」という流れを設計することで、ランディングページ全体の役割が明確になります。

信頼を損なわず成果につなげるためのクチコミ活用の注意点

クチコミはランディングページの信頼性を高める一方で、掲載方法を誤ると、かえって企業への不信感を生む可能性があります。

特に注意したいのが、クチコミの内容を企業に都合よく変更することです。読みやすくするために誤字や表記を整える場合でも、クチコミの意味や評価が変わらないようにしなければなりません。文章を一部抜粋する場合は、前後の内容を省略したことで本来の意図が変わっていないか確認する必要があります。

また、実際には存在しないクチコミを作成したり、従業員や関係者の感想を一般顧客のクチコミのように掲載したりすることは避けなければなりません。

消費者庁は、広告であるにもかかわらず広告であることを隠すステルスマーケティングについて、2023年10月1日から景品表示法違反になると案内しています。企業が第三者へ依頼したクチコミやSNS投稿なども、広告であることが一般消費者に分からない場合は規制の対象になり得ます。

特典や報酬を提供してクチコミを集める場合も注意が必要です。特典を条件として高評価のクチコミを求めると、クチコミの公平性が失われます。

Googleマップのポリシーでは、実体験に基づかないクチコミ、報酬と引き換えに投稿されたクチコミ、割引や無料サービスなどの特典と交換されたクチコミを禁止しています。また、否定的なクチコミを避け、肯定的なクチコミだけを選んで投稿依頼する行為も認められていません。

クチコミを依頼する場合は、「高評価をお願いします」ではなく、「率直なご感想をお寄せください」と伝えることが基本です。

ランディングページへクチコミを転載するときは、掲載元、投稿日、利用サービスなどを可能な範囲で明記すると、情報の出所が分かりやすくなります。投稿者の氏名、顔写真、年代、居住地域などを掲載する場合は、本人が特定される可能性を考え、事前に掲載範囲を確認しておくことが望ましいでしょう。

特に、医療、美容、健康、法律、金融など、個人の状態や相談内容が含まれやすい業種では、クチコミの扱いに慎重さが求められます。病歴などの情報は、個人情報保護法上、特に配慮を要する情報に該当する場合があります。

さらに、クチコミを掲載した後は、情報を放置しないことも大切です。古いサービス名、終了したキャンペーン、変更前の料金などがクチコミに含まれていると、現在のサービス内容と誤解される可能性があります。

クチコミの掲載日、内容、掲載許可、現在のサービスとの整合性を定期的に確認し、必要に応じて更新や注記を行いましょう。

クチコミを成果につなげるためには、良いクチコミだけを目立たせることよりも、実際の顧客体験を正確かつ誠実に伝えることが重要です。

まとめ

顧客の声を活かしたランディングページ設計では、クチコミをページの飾りとして掲載するのではなく、閲覧者の疑問や不安を解消する情報として活用することが大切です。

顧客が抱えていた悩み、商品やサービスを選んだ理由、利用時の印象などが具体的に書かれたクチコミは、企業側の説明だけでは伝えにくい信頼性を補ってくれます。

クチコミを効果的に見せるためには、ファーストビュー、サービス説明、料金、よくある質問、問い合わせボタンなど、ランディングページ内の適切な場所へ配置する必要があります。

特に、次の点を意識することが重要です。

・閲覧者の悩みに近いクチコミを選ぶ
・商品やサービスの説明とクチコミを対応させる
・クチコミを利用目的やテーマ別に整理する
・クチコミの後に料金や問い合わせ導線を配置する
・掲載元や投稿日を分かりやすくする
・クチコミの内容を都合よく変更しない
・偽のクチコミや高評価を条件とした依頼を行わない
・個人情報やプライバシーに配慮する

クチコミの数を増やすことだけが、クチコミマーケティングではありません。閲覧者が必要とするクチコミを選び、適切な場所で分かりやすく伝え、その後の行動まで設計することが重要です。

信頼できるクチコミと分かりやすいランディングページを組み合わせることで、閲覧者は商品やサービスを具体的に理解し、自分に合っているかを判断しやすくなります。

クチコミを誠実に活用する姿勢こそが、問い合わせ、予約、購入だけでなく、企業や店舗に対する長期的な信頼の形成につながります。

【引用・参考情報】

BrightLocal
「Local Consumer Review Survey 2026」
https://www.brightlocal.com/research/local-consumer-review-survey/

Spiegel Research Center, Northwestern University
「How Online Reviews Influence Sales」
https://spiegel.medill.northwestern.edu/how-online-reviews-influence-sales/

消費者庁
「令和5年10月1日からステルスマーケティングは景品表示法違反となります。」
https://www.caa.go.jp/policies/policy/representation/fair_labeling/stealth_marketing

Google
「Prohibited & restricted content – Maps User Generated Content Policy」
https://support.google.com/contributionpolicy/answer/7400114

個人情報保護委員会
「個人情報の保護に関する法律についてのガイドライン(通則編)」
https://www.ppc.go.jp/personalinfo/legal/guidelines_tsusoku/

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