【Tplus株式会社が教える】クチコミ×インフルエンサーマーケティング

商品やサービスを選ぶ際、企業が発信する広告だけではなく、実際に利用した人のクチコミやSNS上の投稿を参考にする消費者は少なくありません。そのため、現在のマーケティングでは「企業が何を伝えるか」に加え、「第三者からどのように語られているか」を意識した情報発信が重要になっています。

そこで注目したいのが、クチコミとインフルエンサーマーケティングを組み合わせた戦略です。インフルエンサーによる発信で商品や店舗を知ってもらい、実際の利用者による自然なクチコミへつなげることで、認知拡大だけでなく、中長期的な評判形成も期待できます。

ただし、インフルエンサーへの依頼によるPR投稿と、一般利用者が自主的に投稿するクチコミは同じものではありません。広告であることを隠した投稿や、報酬・割引などを条件としたクチコミ募集は、法律や各プラットフォームのルールに抵触する可能性があります。

今回は、クチコミとインフルエンサーをどのように組み合わせれば、信頼を損なわず集客につなげられるのかを解説します。

クチコミとインフルエンサー発信を組み合わせるマーケティング効果

クチコミとインフルエンサーマーケティングの大きな違いは、「情報が広がるきっかけ」にあります。

インフルエンサーは、Instagram、TikTok、YouTubeなどですでに一定のフォロワーを持っているため、企業や店舗だけでは届けにくかったユーザーへ商品・サービスを知ってもらうきっかけを作れます。一方、クチコミは実際の利用者による体験談として蓄積され、購入や来店を検討している人が比較・検討するときの判断材料になります。

つまり、インフルエンサー発信は「知ってもらう」、クチコミは「選んでもらう」という異なる役割を持たせることができます。

例えば、飲食店が地域のグルメ系インフルエンサーにPRを依頼した場合、その投稿をきっかけとして店舗を知るユーザーが増えます。そのユーザーが実際に来店し、満足した体験についてSNSやGoogleマップなどへ自主的なクチコミを投稿すれば、新しいクチコミが次の来店候補者の判断材料になります。

このように、

インフルエンサーによる認知拡大

実際の利用・来店

利用者による自然なクチコミ

クチコミを見た新規顧客が来店

さらに新しいクチコミが生まれる

という循環を作ることが理想です。

Metaも、クリエイターとの連携について、クリエイターが持つ信頼性や創造性を活用しながら、認知から販売まで幅広いマーケティング成果につなげられると説明しています。

重要なのは、インフルエンサー自身にGoogleマップなどへ高評価のクチコミを書いてもらうことを施策の中心にするのではなく、インフルエンサー投稿を「新しい顧客と接点を作る入口」として考えることです。

クチコミマーケティングでは、短期間でクチコミ数を増やすことだけを目的にするのではなく、本当の顧客体験から自然なクチコミが生まれる仕組みを構築することが、長期的な評判形成につながります。

信頼されるクチコミを生み出すインフルエンサー選定と依頼方法

クチコミにつながるインフルエンサーマーケティングを実施する場合、「フォロワー数が多い人を選べばよい」という考え方はおすすめできません。

重要なのは、自社の商品やサービスとインフルエンサーの発信内容、フォロワー層が一致しているかです。

例えば、東京都内の美容室であれば、美容やヘアスタイルについて日常的に発信しており、東京近郊のフォロワーが多いインフルエンサーの方が適している場合があります。地域密着型の飲食店であれば、全国的に有名なインフルエンサーよりも、その地域の飲食店を紹介しているクリエイターの方が、実際の来店につながる可能性があります。

選定時には、フォロワー数だけではなく、

・普段どのような情報を発信しているか
・想定する顧客層とフォロワー属性が合っているか
・過去のPR投稿が不自然になっていないか
・投稿へのコメントや反応があるか
・店舗の場合は商圏との相性があるか
・自社の商品やサービスを実際に体験してもらえるか

といった点を確認するとよいでしょう。

そして、インフルエンサーへ依頼するときに非常に重要なのが、広告・PRであることを明確にすることです。

日本では2023年10月1日から、広告であるにもかかわらず一般消費者が広告だと判別することが困難なステルスマーケティングが景品表示法の規制対象となっています。消費者庁は、企業がインフルエンサーなどの第三者へ依頼・指示して行わせる表示も広告に含まれると説明しています。

Instagramでも、企業から報酬を受けたり、無償の商品提供など「価値の交換」があるブランドコンテンツでは、Paid partnership(タイアップ投稿)ラベルの使用が求められています。

また、2026年1月に改訂されたクチコミマーケティング協会のWOMJガイドラインでも、企業と情報発信者の関係性を明瞭に示すことや、動画の場合には途中から視聴したユーザーにも広告であることが分かるよう配慮する考え方が示されています。

インフルエンサーマーケティングで重要なのは、PRであることを隠して「自然なクチコミのように見せること」ではありません。

広告であることを明確にしたうえで、実際に商品・サービスを体験してもらい、インフルエンサー自身の言葉で特徴や魅力を伝えてもらうことが、信頼される情報発信につながります。

インフルエンサー施策で生まれたクチコミを集客につなげる活用方法

インフルエンサーへの投稿依頼は、投稿された時点で終了するものではありません。重要なのは、その投稿によって生まれた認知や来店を、継続的なクチコミと集客へつなげることです。

例えば、インフルエンサー投稿を見たユーザーが店舗名を検索したとします。そのときGoogleビジネスプロフィールに営業時間、住所、電話番号、サービス内容、写真など十分な情報が登録されており、さらに実際の利用者によるクチコミが蓄積されていれば、ユーザーは店舗についてより具体的に判断できます。

そのため、インフルエンサー施策を実施するときは、SNSだけを見るのではなく、Googleビジネスプロフィール、自社サイト、ポータルサイトなど、ユーザーが次に確認する情報も整備しておくことが重要です。

また、来店した顧客に対してクチコミ投稿を案内すること自体は可能ですが、クチコミ内容を企業側がコントロールしようとしてはいけません。

Googleマップのポリシーでは、実体験に基づくクチコミを、インセンティブを与えずに依頼することは認められています。一方、クチコミ投稿と引き換えに金銭、割引、無料の商品・サービスなどを提供する行為や、良いクチコミだけを選んで依頼する行為などは禁止されています。

例えば、

「星5のクチコミを書いていただければ500円引き」

「良いと思った方だけGoogleクチコミをお願いします」

「クチコミを書いていただければ商品を無料プレゼント」

といった方法は避ける必要があります。

それよりも、会計後やサービス提供後など適切なタイミングで「よろしければご利用いただいた感想をお聞かせください」と案内し、評価内容については顧客自身に任せる運用が適切です。

さらに、SNS上でインフルエンサーによるPR投稿を二次利用する場合にも注意が必要です。企業から商品提供や報酬を受けて作成された投稿を、自社サイトなどで通常の第三者によるクチコミのように見せれば、ユーザーに誤解を与える可能性があります。

2026年版のWOMJガイドラインでも、インフルエンサー等へ依頼した投稿を二次利用する際には、無関係な第三者による自主的な投稿と誤認されないよう、企業との関係性を明確に示す対応が推奨されています。

クチコミを集客へつなげるためには、「クチコミを増やすこと」そのものを目的にするのではなく、インフルエンサーによって認知を広げ、優れた顧客体験を提供し、その結果として自然なクチコミが増える流れを作ることが重要です。

まとめ

クチコミとインフルエンサーマーケティングは、それぞれ異なる役割を持っています。

インフルエンサーは、企業や店舗をまだ知らない人に情報を届ける「認知拡大」に強く、実際の利用者によるクチコミは、商品購入や店舗選びを検討するユーザーの「比較・判断」を支える情報になります。

この2つを組み合わせることで、

「知ってもらう」
「興味を持ってもらう」
「利用してもらう」
「クチコミが生まれる」
「クチコミを見た新しい顧客が利用する」

というマーケティングの循環を作ることができます。

ただし、インフルエンサーによるPR投稿と、一般顧客による自然なクチコミを混同しないことが重要です。

インフルエンサーへ報酬を支払ったり商品を提供したりして情報発信を依頼する場合には、広告・PRであることを適切に表示する必要があります。また、Googleマップなどのクチコミについては、報酬や割引と引き換えに投稿してもらう方法を避け、実際に利用した顧客から自主的なクチコミを集める運用が必要です。

Tplus株式会社では、クチコミマーケティングを「クチコミの件数を増やす施策」だけとして捉えるのではなく、良い顧客体験を作り、その体験がSNS、Googleビジネスプロフィール、ポータルサイトなどを通じて自然に共有される仕組みを整えることが重要だと考えます。

インフルエンサーの発信力を入口として活用し、その後に生まれる本当の利用者によるクチコミを蓄積していく。この考え方が、一過性の話題づくりではなく、継続的な評判形成と集客につながるクチコミマーケティングの基本です。

引用・参考URL

消費者庁「令和5年10月1日からステルスマーケティングは景品表示法違反となります。」
https://www.caa.go.jp/policies/policy/representation/fair_labeling/stealth_marketing/

Google「禁止または制限されているコンテンツ – マップユーザーの投稿コンテンツに関するポリシー」
https://support.google.com/contributionpolicy/answer/7400114?hl=ja-JP

Google「Fake engagement」
https://support.google.com/contributionpolicy/answer/11414422

Meta「Instagramでブランドコンテンツと見なされるもの」
https://www.facebook.com/help/instagram/616901995832907/

Meta「タイアップ投稿のラベルについて」
https://www.facebook.com/help/instagram/1317960375957564/

Meta for Business「Instagram Creator Marketplace」
https://www.facebook.com/business/ads/creator-marketplace

一般社団法人クチコミマーケティング協会「WOMJガイドライン」
https://womj.jp/guideline/

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